認知症の本人の声がすべての取り組みの起点に

認知症に関する取り組みの多くは、これまで支援する側の視点で組み立てられてきましたが、それらは、認知症の人や家族の視点からすると、それらが有益には思えなかったり、必要と感じられなかったりということもありました。全ての取り組みは、認知症の人や家族にとって希望が持て、暮らしの質が向上するためにあるという意識を持つ必要があります。

町田市では、認知症の本人が感じていることを語る場づくりがスタートし、地域の中に広がりつつあります。

認知症の人の集う場

町田市内には、認知症の人同士が集い、自身の体験を話し合ったり、日頃感じていることや悩みを共有する場があり、「本人会議」と呼ばれています。

こうした場には、認知症の本人やご自身が認知症かもしれないと思われている方が自由に参加することができます。当事者でないと分からない体験や気持ちを共有することで、認知症とともによく生きるための知恵や心構えを共有する場にもなっています。


まちづくりへの参加

町田市の認知症に関する取り組みやビジョンづくりには、本人会議のメンバーをはじめ、認知症の本人が多く参加しています。

支援側の論理で組み立てられる傾向のある認知症施策や取り組みについて、認知症の本人が参加することで、「誰の、どのような課題を解決を目指しているのか?」「この取り組みは本当に問題解決に寄与するのか?」といった点を意識して、行政、医療福祉の専門職、介護者、NPO、民間企業、研究者などが常に、認知症の本人が一緒になってまちづくりが進められています。